展示のお知らせ

いま六本木のタカイシイギャラリーにて行われている夏のグループ展に小品2点展示しています。今年初めに、MOTサテライトで展示したやつです。お盆休みを挟んで、9月2日までです。とりいそぎおしらせまで。

会期:2017年8月2日(水) – 9月2日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京
参加作家:マリオ・ガルシア・トレス、五木田 智央、クサナギシンペイ、ウィリアム・J・オブライエン、スターリング・ルビー

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啓示

朦朧とした意識の中で辿り着いた泉の畔で、忘れもしない2017年7月4日、神は僕に確かにこう言ったのだ。 “汝、肉推しの店で魚の刺身を頼むことなかれ。激安居酒屋においてもこれしかり“、と……。” “よいな、例え「今日のオススメ」と書いてあってもだぞ……。” そこで僕は意識を失ったのだった。(ぱたり)

※食中毒で死にかけました。夏本番、みなさんもご注意ください。。。。(もう恢復しました♡)

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誰も知らない花

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『Motサテライト往来往来展』トークのお知らせ

東京都現代美術館企画展「往来往来」に併せて行われる連続トークのお知らせです。人前でトークするのなんて、チョイス取ったとき以来15年ぶりくらいかもしれない…。全く上手く話せる気がしませんが、ご興味がある方はどうぞよろしくお願いします。僕は3月5日の回に登壇します。

●参加作家による連続トーク

▽2017年2月19日(日)14:00-16:00

佐野文彦、ごはん同盟

▽2017年3月5日(日)14:00-16:00

松江泰治、クサナギシンペイ、毛利悠子

▽2017年3月12日(日)14:00-16:00 

飯山由貴+remo、mi-ri meter

▽2017年3月20日(月・祝)14:00-16:00

吉増剛造、カニエ・ナハ、花代、ひがしちか

会場:三好地区集会所(MOTスペース4の北へ二軒隣)
   *会場は都合により変更になる場合がございます。
定員:40名(先着順)
当日直接会場にお越しください。

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展覧会のお知らせ

東京都現代美術館(現在休館中)が企画した、清澄白河の街を舞台にした展覧会に参加することになりました。僕はMOTスペース7にて新作絵画、MOTスポット(アライズコーヒーロースターズ)にて著書『清澄界隈』から原画を一部展示する予定です。会期中には、トークなどもする予定です。詳細は分かり次第、追ってお知らせします。もしお時間があれば、観に来てください。

MOTサテライト 2017春 往来往来

会期 2017年2月11日(土祝)-3月20日(月祝)

会場 清澄白河エリアの各所

アクセス
東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線
「清澄白河」駅 B2出口 または A3出口

メイン会場(MOTスペース1~7)
まずはMOTスペースへお立ち寄りください。全7ヶ所のMOTスペースでマップを配布します。

開場日時:
2017年2月11日(土祝)から3月20日(月祝)までの木・金・土・日、祝
11:00~18:00
観覧料:無料

MOTスペース会場 詳細
1) 旧駄菓子屋(江東区白河2-3-3)
2) グランチェスター・ハウス
 (江東区三好3-8-5)
3) 深川資料館通り商店街協同組合事務所
 (江東区三好3-8-5)
4) 赤い庇の旧印刷所(江東区三好3-7-11)
5) F邸(江東区平野1-13-12)
6) 平野の旧印刷所(江東区平野1-9-5)
7) リトルトーキョー(江東区三好1-7-14)
*MOTスペース2と4には2階展示会場へのエレベーターはありません。

その他会場 
MOTスポット(小展示)会場 詳細
会期:2017年2月11日(土祝)-3月20日(月祝)
開場日時:各会場により異なります。
観覧料:一部をのぞき無料

会場:江東区深川江戸資料館*/ 江東区芭蕉記念館* / 江東区立深川図書館/ 法苑山 浄心寺/ あづま屋文具店/ 田巻屋/ 大久保クリーニング/ 三河屋精米店/ 杉原商店/ Coci la elle/ アライズ コーヒーロースターズ/ fukadaso CAFE/ iki ESPRESSO TOKYO/ ALLPRESS ESPRESSO/ mamma cafe 151A/ しまぶっく/ smokebooks/ NOiS 清澄白河 ほか
*江東区深川江戸資料館でのごはん同盟、カニエ・ナハ+大原大次郎作品と、江東区芭蕉記念館でのカニエ・ナハ+大原大次郎作品は展示室内にあるため、入場の際に観覧料が必要となります。

【フェロー・プロジェクト】
gift_+AS「ラジオ往来往来 / Radio.OraiOrai」
2017年2月11日~3月20日
gift_lab GARAGE
http://radio.oraiorai.org

アートト「MOTサテライト アーカイ部」
MOTサテライトを観察、地域への影響などをリサーチし、地域とアートの関わりの可能性を探るプロジェクトです。会期中、公開フォーラムを行います。

お問い合わせ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
8:00-22:00 年中無休
または
03-5633-5860
(東京都現代美術館 リニューアル準備室代表)
平日9:30-18:00

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/mot-satellite-1.html

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展覧会のお知らせ

すっかり遅くなってしまいましたが、東京アートブックフェアにご来場頂いた方々、どうもありがとうございました。お陰様で、今回のブックフェアに併せて作成した新作「須崎画」は完売致しました。増刷の予定はありません。残念ながら買えなかった人、本当にごめんなさい。家に残っていた刷り見本などを合わせて、下記にお知らせするユトレヒトの展示でなんとか(本当にあと数部ですが)販売できそうなので、もしご興味ありましたら覗いてみて下さい。

さて、近況のお知らせです。
10月、11月にグループ展が三つあります。
僕の所属する二つのギャラリーが偶然にも同時期にそれぞれ新スペースを開くことになました。そのオープニング展にそれぞれ参加します。

〈東京〉
●タカイシイギャラリー六本木新スペース オープニング展
「Inaugural Exhibition: MOVED」
会期:2016年10月21日(金)- 11月19日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京

(新住所:港区六本木6-5-24 complex665 3F)
詳細;http://www.takaishiigallery.com/jp/archives/15179/

〈サンフランシスコ〉
●「Will And Be Going To」
Grand opening exhibition of the gallery program
in our new location at 1150 25th Street.
November 4 – December 17, 2016
詳細:http://www.altmansiegel.com/exhibitions-l/upcoming/

それからもう一つ、去年高知県で滞在制作した時の成果展のようなものをやります。TABFで販売した『須崎画』も、こちらでごく僅かですが販売します。

<東京>
● 現代地方譚サテライト展(仮)
会期:10月12日(水)-16日(日)
会場:ユトレヒト
http://utrecht.jp/?p=19840
営業時間 12:00-20:00
東京都渋谷区神宮前5-36-6 ケーリーマンション2C
tel 03-6427-4041
mail info@utrecht.jp

よろしくお願いします。

※一部情報を更新しました(2016/10/5)

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東京アートブックフェア2016のお知らせ

今週末の9月16日から四日間、外苑前で行われる東京アートブックフェア2016に、軒下チームとして今年も参加します。今年は、去年高知県で滞在制作中に暇を見つけては描いていた未発表の写生画を纏めた、『須崎画』という本を作りました。

  昔、セツモードセミナーという学校に通っていた時は、年に一度、写生旅行がありました。現地集合現地解散、宿も自分で手配して、千葉県の大原という漁港で日に焼けながら何日もひたすら写生を描きまくるという、いま思い出してもなかなか自由で面白い授業でした。以来、出不精なのも手伝って実際に外に出て写生するなんて一切やってこなかったのですが、あれから二十年近く経った去年、高知県で滞在制作をしていたときに、ふと思いついて、あれをもう一度やってみようと思ったのでした。なんだかセツで行った大原のことをやけに思い出すなあ、と訝っていたら、よく考えたらどちらも小さな漁港だと気がつきました。同じ匂いなのでした。
 個人的なトレーニングのつもりだったので、ただ描いただけで満足して丸めて持って帰ってきていたのですが、いろんな巡り合わせがあって、こうして一冊の本になりました。30部しか作らなかったので、もし欲しい方はお早めに。もちろん手製本です。会期中はずっと会場にいる予定なので、お気軽にお声がけ下さい。『清澄界隈』をはじめ、今まで作った他の本も持っていきます。よろしくおねがいします。

東京アートブックフェア2016
http://tokyoartbookfair.com/
2016年9月16日(金)15:00〜21:00
2016年9月17日(土)12:00〜20:00
2016年9月18日(日)12:00〜20:00
2016年9月19日(月・祝日)11:00〜19:00

入場無料

東京都港区北青山1-7-15 京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス

●チーム軒下(阿部伸二、江原隆司、クサナギシンペイ、藤田慎一郎、森本美絵)
ブース番号D-05

●新刊情報

『須崎画』 
B4判 /手製本 /24頁 /中綴じ /30部限定 予価2000円

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お知らせ

あっという間に九月。

今年も9/16〜19日、外苑前にて開催される『東京アートブックフェア』にチーム『軒下』として参加します。
部数は少ないですが、新作も出す予定です。またブース番号など、詳細が分かり次第お知らせします。それから、秋にはいくつかグループ展などにも参加する予定なので、これもまた詳細決まり次第お知らせします。

●東京アートブックフェア
9/16-9/19 
http://tokyoartbookfair.com/

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おしらせ

飛ぶ教室第46号(2016年夏号/光村図書刊)に、童話を一篇書きました。
ツバメの話です。

http://www.mitsumura-tosho.co.jp/shohin/tobu/book_t046.html

ポケモンGOは二日で飽きました。

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夢で逢えたら

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6X6

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半年くらい前に携帯電話を変えたら、画角が変わった。
新しい携帯電話はiPhoneに比べるとフォーカスが甘くて、少しイライラする。

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備忘録的な

 夢の中だけに出てくるよく行く場所、というのが幾つかあるのだけれど、その一つが神保町駅すぐ側、目抜き通りから一本奥に入った雑居ビルの一階にある『喫茶ボアード』(bored/退屈)で、いかにも80年代風の簡素な店構えからは想像できないほどに中が広い。廊下を挟んだ向いにはオーディオしか置いていないがらんとした部屋まである。昨夜店の名前が判明したのでここに記す。誰が名付けたのかよくわからないけれど(僕か?)、『喫茶ボアード』ってけっこう素敵な名前だと思う。実際にそんな名前の店が一件くらいあってもおかしくないな、あったらちょっと行ってみたくなるな、と思ってググってみたけれど、一件もヒットしなかった。
 神保町にはもう一件、駅前の靖国通り沿い雑居ビル二階を見上げると、え、こんなところに! という場所に銭湯、というか健康ランドもある。そこも最近夢の中で何度か通った。夢の中でも風呂に入っている。実際に存在するかどうかはしらない。

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蒟蒻と応用

 完全地デジ化以来五年ぶりに、テレビが映るようになった。すっかりテレビのない生活にも慣れ、特に必要とも思っていなかったテレビを今さら購入するに至った最大の理由は実は先日も触れたスプラトゥーン(ゲーム)だったというのはここだけの話にして、今住んでいる家は古い一戸建てで、屋根にはテレビアンテナもない。工事をするなら自腹でやらなければならないが、わざわざお金を払う気もさらさらない。だから最初はゲームさえ出来ればテレビは映らなくていいや、と考えていたのだが、いざテレビが家に来てみるとなんだか急に勿体なく思えてくるのは不思議なもので、あれこれ調べるうちにネットで売られている 1500円の簡易アンテナを見つけて、そんなに安いならと騙されたと思って買ってみるとあっけなく全てのチャンネルが映るようになり、いったいあの地デジアンテナ工事の狂想曲はなんだったのか、やはり今度の電力自由化も最後の最後までどことも契約せずにひたすら待とうと心に決めたのだった。
 一度テレビが映ってしまうと、やはり何の気なしに観てしまうようになるもので、昨日も夕食後、皿洗いをする気にもなれずぼんやりとテレビを眺めていた。最近よく見かけるお笑い女芸人が二人、昔ながらの蒟蒻作りを体験する、というようなレポートだった。詳しい老人の指導の下で、顔を真っ赤にしながら 一生懸命蒟蒻を作っていた。掘り出した蒟蒻芋をすり下ろして灰汁と混ぜ、適当な大きさに纏めて茹でる。こうして文字にすると簡単そうだが、なかなかに手間の掛かる作業に見えた。半日がかりで作ったそれを、最後に田楽にしたり豚汁にしたりして、美味しそうに食べていた。僕らがスーパーでしか買ったことのない蒟蒻を、昔の人はそれぞれの家庭で芋から育て、こしらえて、それから調理していた。実に当たり前のことだけれど、今まで改めて考えたこともなかった。
  その時にふと、この構図がどこか自分にも通じて思えた。現代の僕たちはスーパーで蒟蒻を買ってきて、調理する。低カロリーの代名詞ともいえる特性や企業努力もあって、蒟蒻のレパートリーは百花繚乱。少しクックパッドで調べれば、昔ながらの味噌田楽や刺身蒟蒻はもとより、カルパッチョからカレー、とんかつ、 えっ、こんなものまで! と昔の人からすれば考えられないようなレシピが山のように掲載されている。しかしこれらの献立はすべて、蒟蒻が手軽にスーパーで手に入る、という前提で考えられていて、もしそれらの献立を一から蒟蒻を作るところから始めなければならなかったとしたら、恐らく誰もそこまで手の込んだ調理はしないのではないだろうか。蒟蒻の新しい可能性。蒟蒻の新しい活用。人々はまだ見ぬ地平を目指して、蒟蒻をアレンジし続ける。見たことも食べたこともない、斬新な蒟蒻料理の数々に人々は目を奪われ、こんなにおいしい蒟蒻料理はたべたことがない、と舌鼓を打つ。やがて蒟蒻は一つの要素となり、料理が美味しいことと蒟蒻が美味しいことは等しくなくなる。もう誰も蒟蒻の味なんか気にしないんだぜ。蒟蒻の特性を活かして需要にいかに応えていくかが大切なんだよ、と誰かが言う。正論だ。なにも言い返せない。それが当世の「賢さ」なのだろう。しかしそれでも尚、自分が作りたいものが蒟蒻そのものだったとしたら、どうだろう。例えどんなに美味しい蒟蒻が作れたところで、誰も見向きしなくて当然なのかもしれない。ところで僕にとっての美味しさは、他人にとっても等しく美味しいのだろうか。そもそも僕は、どこに向かって絵を描いているのだろう。頭の中でどんどん膨らむ考えを打ち消すように、リモコンでテレビを消した。もういい加減、食器を洗わなければならなかった。

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塗ってどこまでも

  ここのところ何人かから立て続けに、「学習と応用」最近更新されてないですね、と言われて、こんなよくわからないサイトを気にしていただいているだけでもとても有難いのに、ほんとうにごめんなさい。なにか更新しようとは思いつつ、最近はほとんどずっと家に籠もって居るので目新しいことも特になく、平凡な日常を繰り返すだけで書くことも特にない、と言うのはただの言い訳で、やっぱりただの怠慢以外のなにものでもない。

 展覧会の予定が特にない今は、いろいろ試しながら絵を描いて、その合間にひたすらスプラトゥーンという任天堂のゲームをやっている。四対四で、限られた陣地をペンキで塗り合うという陣取りゲームで、かわいいパッケージングで誤魔化しているものの、平たく云えば殺し合うゲームだ。味方の四人も敵の四人も世界のどこかの誰かが操作しているから、毎回戦い方や展開が異なって、もう購入してから半年以上経つというのに、飽きることがない。様々な武器が用意されており、それぞれに長所と短所がある。射程が長い武器、短い武器。インクの減りが早い武器、長持ちする武器。連射が出来る武器、出来ない武器。陣地を効率よく塗れる武器、塗れない武器。各々が好きな武器を持って、試合に臨む。一試合三分。その間により多く色を塗った方が勝ち。単純なゲームなのに、奥が深い。敵陣に突撃する人、後方から援護する人、裏をかく人、待ち伏せする人。武器の選び方や戦い方にも、操作する人の為人が現れているようで、僕はと言えば、最初の頃はスタートと同時にろくに相手の出方も見ずに敵陣地に突撃して返り討ちに遭う、という最もはた迷惑な行為を繰り返して、きっと実際の戦争にかり出されても、こうやって馬鹿正直に突っ込んでいっては、あっという間に殺されるのだろうと確信したのだった。このゲームのとても良く出来ているところの一つは、どんなに上手い人でも一人の力では試合に勝つことが出来ない、というところで、上のレベルに行けば行くほど、味方との連携が必要になってくる。結局のところ、誰もヒーローにはなれない。

 上手くなりたい一心で、YOUTUBEにあがっている上手い人のプレイ動画を片端から見て立ち回りを勉強するうちに、ふと、上手い人と自分とは、ペンキの塗り方が決定的に違うことに気がついた。上手い人たちは適度に自分のインクを周囲に散らばせて戦っているのに対して、僕は相手のインクと自分のインクの色が斑になっているのが気持ち悪くて、つい綺麗に自分の色で塗り上げようとしてしまう。結果、いつも敵にやられていたのだった。ステージの隅も、ついきちんとエッジを出して塗り上げたくなる。これはもしかすると、職業病というやつなのではなかろうか。そう思い至ると同時に、突然、自分がゲームの中でまで嬉々としてペンキで色を塗っている、という基本的な事実に改めて気がついて、自分で自分に、少し呆れるのだった。

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レッカー

突然エンジンが掛からなくなってしまった車を、JAFで修理工場まで運んだ。ここのところ余り調子が良くないと思っていたから、やっぱり、という気持ちしかなかった。工場が休みの日にはいつもそうするように、工場の脇の駐車場に置いて鍵をポストに入れてゆくつもりだった。もう何度も道端で立ち往生しているから、勝手はわかっている。レッカー車を道路沿いに寄せてもらって、どこで車を降ろすか確認しようと駐車場に一人で入っていくと、どうしたの、とたまたま居合わせた、おそらく修理工場の関係者の人だろう、しかし初めて見る人に声を掛けられた。60歳くらいだろうか。白髪交じりで、どうやら脇に停まっている趣味の良い古いベンツ230Eのオーナーのようだった。今日お休みだよ? と教えてくれるいかにも趣味人といった風情のおじさんに簡単に事情を説明すると、その人はああ、それならいまからこのベンツを動かすからここに駐めるといい、と教えてくれた。ところで車種はなんだい、と聞かれたので答えると、ああ、あの車か、知ってるよ、とおじさんの顔がぱっと明るくなって、あの車、綺麗になったねえ、ずいぶん昔からよくここで見かけてたからさ、あれ、お金か掛かってるだろ。最近オールペンしたろ? 嬉しく思ってたんだ。そうか、君があの車の持ち主か、とまるで親族の結婚相手に初めて会う親戚のおじさんのようなことを言い出すのだった。いやいや、でももう今年に入って道端で立ち往生したのこれで4度目だし、車齢30年を過ぎて部品も本格的に手に入らないし、もうそろそろ本当に考えなくちゃいけない時期に来たのかと思っているところです、と正直に打ち明けると、おじさんはなにをいっているんだと首を横に振って、俺はほら、仕事柄アルファとかポルシェとかベンツとか、古くてもわかりやすい車によく乗るばかりだけれど、君の車は間違いなく良い車だよ。いまやとても貴重な車じゃないか。故障の原因はなんだい? 燃料ポンプ? なら大したことないよ。大丈夫、まだまだ乗れるよ、と笑って、それじゃと車に乗って走り去っていった。僕はレッカー車を誘導してベンツの駐まっていた場所に車を降ろし鍵をポストに入れると、JAFの人にお礼を言って家に戻った。ここ最近余り調子よく走ってくれない車に、そろそろ本当に手放す時期が来たのではないかと真剣に悩んでいた。工場に向かう間も、ずっとそんなことを悶々と考えていた。はずなのに、しかし不思議なもので、そんな偶々居合わせた見知らぬおじさんの無責任で根拠すらない一言で、自分でも拍子抜けするほどあっさりと霧が晴れて、救われてしまったのだった。

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近況報告とお知らせ

すっかり遅くなってしまったけれど、東京アートブックフェアにご来場戴いた皆さん、どうもありがとうございました。お陰様で今年も大盛況でした。今年制作した自主制作本『The cars on the road』、会場に来れなかった方でもしほしい方がいらっしゃいましたら、nokishitade@gmail.comまでお問い合わせください。
64頁、オールカラー、テキスト(日/英)、傍目からは全くわからない自家製本です。今まで写真に収めてきた、道ですれ違った古い車たちを纏めた写真集という誰得の内容となっています。

アートブックフェアが遠い昔に思えるほどなんだか身辺がバタバタしていますが、10月中旬からは去年も参加した「アーティストインレジデンス須﨑3」に、今年も参加します。二週間ほど須崎に滞在して、展覧会をします。滞在制作期間中もアトリエの中を見学できるので、もしお近くにお越しの際はぜひ覗いてみてください。

<展覧会情報>
現代地方譚3 アーティスト・イン・レジデンス 須崎

高知県土佐湾沿岸にある須崎市は、豊かな漁場や、商工業の街として発展してきました。しかし近年は、多くの地方都市と同様に少子高齢化などの問題も抱えています。須崎市では、2014年より「現代地方譚」と題した作家滞在型のアートプロジェクトを開催し、今秋は、その第3回目になります。高知県内外の作家たちが須崎市に集い、地域性を生かした作品を2週間の滞在をしながら制作します。作品はメイン会場となる元々商家の邸宅だった建物を活用したまちかどギャラリーや今は使われなくなった銭湯、JR須崎駅等、市内のさまざまな場所で発表されます。

会場 すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸ほか
高知県須崎市青木町1-16
☎︎050-8803-8668
公開制作 _10月17日(土)〜11月1日(日)
展示会期 11月3日(火祝)〜11月29日(日)
9:00〜17:00
休/月曜日(祝休日の場合はその翌日)

只今須崎行きの準備の真っ最中。そして須崎から東京に戻ってくる頃には、もう今年も終わる。。。

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おしらせ

お知らせが直近になってしまいましたが、今週末に外苑前で行われる東京アートブックフェアに、「軒下」として参加します。今年はブックフェアに向けて、かなり個人的な趣味に偏った本を一冊作りました。
誰が言ったか知らないが、言われてみてもさっぱりわからない手製本です。
新作と合わせて、2月の個展の時に作った画集『nowhere now here』、『清澄界隈』も併せて販売します。ずっとブースにいますので、よかったら遊びに来て下さい。「軒下」ブース、A-14でお待ちしています。

東京アートブックフェア

9月19日(土)15:00〜21:00
9月20日(日)12:00〜20:00
9月21日(月・祝)11:00〜19:00

京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス

東京都港区北青山1-7-15

Google Map

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風の名前

 車の調子が悪く、この三ヶ月で三回、道端で立ち往生した。どれもしばらく走って車を駐めて、しばらくして戻るとラジエターホースが破れて冷却水が漏れている。原因は不明。その都度レッカーで入院。三度目に駐まったのは、東名高速の御殿場サービスエリアだった。
 先週、やっと三度目の入院から車が戻ってきた。 ウォーターポンプ交換、デスビ交換、プラグコード交換、ベルト類交換、ラジエターホース交換、サーモスタット交換。ウォーターポンプ交換は車を買ってから二度目の交換。十年ぶりくらいだろうか。今回、結構色々と手を入れた。この修理を人間の手術に例えたらなんになるだろう。ずっとぼんやり考えているけれど、いい例えが見つからない。これでもうしばらくは乗れるだろうか。もういっそ新しい車にした方がいいのではないかと思ったりするものの、手放すタイミングは完全に失している。工場に車を引き取りに行くと、駐車場に綺麗なCR-X(二代目)が駐まっていた。ホイールまで綺麗に磨き上げられている。綺麗な個体ですね、と言うと、工場のおっちゃんが、これもオーナーが新車からずっと大切に乗ってるんだけど部品が無くてさー、と嘆いていた。その言葉に、意味も無く少し勇気づけられる。それにしても僕も含めて、おっちゃんがいなくなると困る人がたくさんいる。たぶん僕が居なくなるなんかよりもずっとたくさんの人が困るだろう。ふとそんな考えが浮かんで、すぐに自分で打ち消した。

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プールヴァード

 曜日なぞ普段一切関係の無い生活をしているくせに、どこからか漂ってくる連休中日の雰囲気にここぞとばかりに絆されて、すっかり絵を描く気分にもなれず、折角だから連休っぽいことでもしてみようかと思うものの、何をすればよいのかわからない。外は家に居るのが勿体なく思える程のよい天気で、開け放した窓からは、通りを歩く人の楽しそうな笑い声が飛び込んでくる。
 その声に釣られて読んでいた本から顔を上げた拍子に、思いのほか汚れた窓が目についた。そういえば少し前からずっと気になっていたものの、放っておいたのだった。そうか、これをすればいいのか。窓ガラスを拭くという行為は、連休中日にとても相応しい行為に思えた。ありもしない答えが見つかったような気になって、いそいそと古新聞とバケツとスクイージ(ワイパーのような窓を拭く道具)を道具置き場から探し出すと、早速窓の掃除にとりかかった。
 大学生の頃、友達に誘われて掃除のバイトをしていたことがある。オフィスが休みの日、休日の早朝からハイエースに乗って、都内のオフィスビルを巡ってひたすら掃除をする。ゴミを集め、椅子をあげ、床を磨き、ワックスをかける。様々な会社の、普段入れない事務所の中に入っていくのは、いつもとても興味深く、見てはいけないものを見ているような軽い背徳感を伴った。壁に貼られた売上げのグラフや標語が、誰もいない薄暗いオフィスの中でいつも妙な生々しさを放っていた。そんな中に、たまに窓を拭く仕事が混じった。窓掃除は一見簡単そうで、しかし下手がやればガラスに跡が残ってすぐにわかってしまう。高所に登ったりもするから、場合によっては危険も伴う。だから常にベテランの仕事だった。楽そうに見えたのか、あるいは職人への憧れか。窓ふきの何にそんなに惹かれていたのかは、よくわからない。ただ、窓ふきの担当者が建物の外側に回り、リズミカルにスクイージーを窓に滑らせる。跡一つ付けず綺麗にガラスを拭きあげてゆく様を、部屋の中でワックスをかけながらいつも羨ましく横目で眺めていた。
 スクイージーを綺麗にかけるコツは、一度ガラス面に付けたら最後までガラスから離さないことだった。途中で離すと、その部分が乾いたときに跡に残ってしまう。その為に、直線ではなく曲線でnの字を描くように、ガラスの上端やや下から、反対側の端へ、少し下げてこんどは逆へと、少しずつ下がりつつ手首と全身を使ってお手玉のように汚れた水を中央に集めつつ一番下まで落としていって、最後に纏めた水を一気に切る。うまい人がやるとその仕草は、ちょっと踊っているようにも見える。
 あの頃の記憶を辿りながら、霧吹きで窓ガラスをぬらし、スクイージーを切ってみる。それにしても、なんだってなにかの役に立つものだとおもう。思ってもみなかったことが、思ってもみなかったときに役に立つ。
 なかなか思い描いたように手首が振れず、イメージと自分の体の動きが噛み合わない。もっとこうだったのではないか。いや、こうすればいいのではないか。試行錯誤を繰り返すうちに、部屋の窓数枚なんてあっという間に拭きあげてしまう。それだけでは物足りず、結局家中の窓という窓をきれいに拭きあげてしまうと、まるで霧が晴れたように部屋全体が明るくなって、わかりやすく気持ちも揚がった。ここのところずっと続いていた特に理由のない鬱屈とした感情にさえ、なんだかやっと一区切りつけられたような気分になった。どこに向いているのかわからない。もうどこにも辿り着けないかもしれない。それでも自分で漕ぎだした舟は、最後まで自分で漕いでゆかなければならない。たとえ取り返しのつかない過ちを、既に犯してしまっていたとしても。外の景色は以前よりもずっときらきらと輝いて見えて、通り過ぎる人々や車、風に揺れる街路樹、見慣れたいつもの風景に、ガラスを越してしばし見とれた。

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LOVE SPACE

表参道のユトレヒトでも、画集の取り扱いがはじまりました。 (→こちら)
通販も出来ます。


 空腹に耐えかね飛び込んだ場末の蕎麦屋は、午後三時という時間のせいかやけに閑散としていて、窓のない店内を照らし出す影のある白熱灯の照明と混じり合って、少し大きめのボリュームで流れている山下達郎がやけに耳に届いた。
メニューには蕎麦よりもカツ丼や親子丼のほうが大きく記されていて、これは丼物の方が人気があるという事なのか、あるいは丼物の人気が無い故の処置なのかとひとしきり考えてから、ざる蕎麦を単品で頼んだ。ざる蕎麦の方が早く出来そうだし、なにより失敗したところで傷は浅そうだ。店員の女の子が、素っ気なくボールペンで注文をメモしてから、厨房へと消えてゆく。店内には、相変わらず山下達郎が流れている。「高気圧ガール」が終わって、「クリスマス・イブ」になる。おもわず口ずさむ。ベスト盤だろうか。ふと見るとさっきの店員も、カウンターの脇で小さく唇を震わせて、サビに合わせて小声で歌っていた。もしかするとこの店では、繰り返しずっと山下達郎が流れているのかもしれない。
 運ばれてきた蕎麦は、予想を超えておいしくなかった。汁ばかりやけに甘く濃くて、ベタベタと口に残る。丼物のほうがましだったか。そんなことを考えながら、それにしてもここは今まで居合わせたどんな場所よりも、山下達郎を聴くのに適した場所かもしれない、と思う。妙に沁みて乱される。席を離れがたくて、食べ終わった後もしばらくお茶を啜りながら黙って二曲聴いて、店を出た。

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